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加古川市八幡町中西条から播磨町古宮の大池に至る新井水路は、江戸時代に、今里伝兵衛が作った約14qの用水路。加古川史学会の岡田功さんの案内で、神野駅から大池までをたどってみました。


新井水路 加古川市神野町〜加古郡播磨町古宮  (2007年8月号に掲載)

古人の偉業をしのびながら 町中を歩く

 

 
 JR加古川線神野駅を降り、突き当たりを左に曲がって少し行くと用水路に出合う。新神野の住宅街を避けるように田園地帯を歩き、小さな集落を抜けると、サイフォン工法で川の下に水路を通した「曇川サイフォン」。しばらく曇川、加古川線と並行して歩き、安産の神をまつる日岡神社の前を通って新井緑道に入る。ここから野口町水足の連隊橋までが水路唯一の遊歩道である。
 
 加古川卸団地を抜け、加古川バイパスをくぐって山陽本線の高架を越える。車が多いので注意。国道2号を横切り、すぐを左に入る。農道を少し歩いて中部中学校の横へ、町の中を南に歩き、用水路と合流してから東に向かう。新井川との分岐を越え、さらに東へ。郵便局から少し広い道を通り、次の信号からまた水路に沿って住宅地に入る。そして水路は途中で地下に潜る。
 
 神鋼社宅を抜けて再び水路が現れると、そこからは一転してのどかな田園風景が広がる。遠くに秋にオープンする県立歴史考古博物館の斬新な建物が見える。少し行くと水路は南に下りるが、水路と離れてそのまま真っすぐ進み、加古川市から播磨町に入って大中遺跡でひと休み。
 
 「であいの道」を通り、「ふるさと橋」が架かる喜瀬川に出て、堤防を右に曲がる。堤防は遊歩道としてきれいに整備されていて、何カ所かトイレまで設置してある。新井水路の「喜瀬川サイフォン」を見て、さらに南へ。新幹線の下を左へ曲がり、水路と合流して山陽電車の線路を渡ると大池。約4時間半のコース。
 
 新井水路の分水口は神野駅の少し北、加古川大堰近くにあり、五ヶ井水路と並んで始まる。加古川堤防の道から望めるが、大型車の通行が多いので少し危険。


SUNスタッフの
レベル感

距  離   ★★★★☆

難易度    ★☆☆☆☆




公共
交通案内
JR加古川線
神野駅下車。
次回取材の
お知らせ

*この登山は10月号の紙面に掲載

       平成19年8月11日(土)

   笠杉山・段ケ峰(宍粟市一宮町)

※一般向けコースです。引率はできませんが、軽い案内はさせて頂きます。 オレンジ色のタオルを持って歩いていますので、ぜひ声をかけて下さい。 天候などで、予告なく変更の場合があります。詳細は、編集室までお気軽に。 

今里伝兵衛と
新井水路


播磨町一帯には大きな川がなく、昔から干ばつの被害は相当なものだった。播磨町古宮の大庄屋・今里伝兵衛は加古川から水を引けないものかと綿密な調査をし、近隣23カ村の庄屋たちを集めて水路の必要性を説いた。庄屋たちの同意を得て、水路開発を藩主に願い出て承認を受け、そして1年余りの工事を経て明暦2年(1656)に完成。「新井水道」と名づけられた。この水路により周辺は豊かな水田地帯となった。
 水路は現在も10カ所以上のため池に水を送り続けていて、伝兵衛の功績をたたえる碑が播磨南中学校内と播磨町中央公民館隣にあり、古宮薬師堂には墓がある。